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に同意する声明文を作成し、さらに、この声明文をIMO,ICAO,IALA等に通知することとなりました。
海上保安庁としては、このIOTC声明を受けて、利用者への周知を行うとともに、オメガシステムの廃止に伴う予算措置手続きを進めているところです。
開発担当者が、最終の電波航法システムとなるであろうと期待してギリシャ文字の最後の文字「Ω」をとって名付けられたオメガシステムも、20年以上を経過して、世代交代の時期を迎えたことになりますが、最新技術を用いた送信機器や大規模な送信施設の建設、運用には諸先輩の卓越した英知と努力があったことを忘れてはならないと思います。
(米国における電波航法システムの動向)
米国のオメガシステム廃止決定は、利用者のGPSへの移行が1つの要因となっていますが、米国政府は、GPSの利用に関して種々の政策を打ち出しています。
第一は、GPSのSPS(Standard Positioning Service:標準測位サービス)の一般への開放と継続的運用であり、米国政府は、IMOに対してGPSのSPSを民間の航行用に無料で開放し、廃止する場合にはその6年前までに事前に通知することを約束しています。
第二は、ディファレンシャルシステムの導入推進です。ディファレンシャルシステムは、誤差補正を行って測位精度を向上させるほか、衛星の状況をリアルタイムで利用者に伝えることができ、GPSの利用性を大きく向上させることができます。
第三は、本年3月に発表された、SA(Selective Availability:選択適合性)の撤廃です。これは、GPSのSPSの測位精度を意図的に劣化させることができるSAを10年以内に撤廃し、GPSの利用を促進しようとするもので、SAがなくなれば、SPSによる測位精度は30メートル以下になると言われています。なお、この10年という期間は、SAを使用しないでも米国及び同盟国が完全な軍事行動をとれるように措置するために設定されたそうです。
このように、米国政府はGPSの利用を促進しており、1994年版FRPではオメガのほか、ロランCも2000年までに廃止する計画を公表しています。
(ヨーロッパ諸国の動向)
一方、ヨーロッパ諸国では、北西ヨーロッパをカバーするロランCの整備拡充を図っ

 

 

 

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